巨岩で出来た造形美、高畠町の火箱岩洞窟
高畠町の火箱岩洞窟とは
山形県高畠町にある火箱岩洞窟は、高畠洞窟群の一つで屋代地区時沢にあり、高畠の街中からは車で15分ほどの距離にあります。
この火箱岩洞窟は国指定文化財史跡になっており、坂道を登り切った先には圧巻の洞窟が広がります。
洞窟の何なった火箱岩という名の由来は、昔から暖房器具として使用されてきた火箱に形が似ているから、その名が付いたと言われています。
確かに洞窟自体はどっしりとしていていますが、火箱というよりは、昔の行火(あんか)のような形をしているような。
火箱岩洞窟下洞
昭和36年から調査が開始された火箱岩洞窟、ここからは縄文時代草創期から古墳時代までの出土品が見つかっています。
地元では五指山と呼ばれている山の一つで、火箱岩洞窟は大師森山東斜面の中腹、標高は360m程の位置にあります。
この火箱岩洞窟は二階建て構造になっていて、下にある下洞の内部は広く、洞窟の上部は、大昔山肌を転がってきたと思われる大きな岩が塞いでいます。
大きさを考えると、よくこの位置で止まったなと驚いてしまいますよね!!
この上の方に上洞があります。
下洞は入り口の横幅が4メートル、奥行きが約6メートルほど。この大木な巨石が転がってくる前は、天井はあったのでしょうか?
現在のこの地域の積雪量を考えると、雪を凌ぐには入り口が大きく開きすぎているような気もします。
火箱岩洞窟上洞
下洞を堪能した後は、その上部にある上洞に移動します。
上の洞窟まではこの坂を登ります。長さにして10メートルもありませんが、結構な勾配ですので気をつけて。
上洞に着くと、下には先ほど見てきた下洞が岩の隙間から見えます。
上がら岩の間に挟まった巨岩を見てみると、上に大きく尖っていることが分かります。直角に落ちたのか転がってきたのか、上から見ると、奇跡的な位置で止まっていることが、改めて分かりますよ。
手前にはロープが張ってありますが、危険ですので近づき過ぎないようにしましよう。
上洞は、下にあるの下洞に比べると中に平な場所はありませんが、結構広々としています。
洞窟の天井部分には大きなひび割れがありました。
この上洞は、縄文時代前期から古墳時代に使用されていた痕跡が見つかっています。下洞は縄文時代草創期から使用されていた痕跡が発見されているので、下洞の方が長く住居として使用されていたという事になります。
上洞は洞窟というよりは、岩の窪みという感じです。この洞窟を構成している岩は元々一つで、長い年月でヒビが入ったり雨風にさらされて、当時とは形も変化しているのでしょう。
火箱岩洞窟までの道
火箱岩洞窟の駐車場は車2台分くらいのスペースです。
この駐車場までは町道から小道に入り、葡萄園を抜けて来ます。
果樹園と山があり、餌を求めて熊や猪が出没する危険があるので、なるべく熊鈴を持参するか複数人数での訪問をおすすめします。
火箱岩洞窟の下洞までは、このような緩やかな登り道。
多少ゴツゴツしていますが、普通に歩けない程ではありません。
少し大変なのは、下の洞窟から上の洞窟までのこの道。登りは良くても、降りる時に上から下を見ると結構な急勾配にびっくりします。
途中の木に捕まりながらゆっくりと下ってくださいね。
下の洞窟までなら大丈夫ですが、上にある洞窟までは急な坂道ですので、小さなお子さんには少し厳しいかもしれません。
火箱岩洞窟の場所と詳細情報
場所 | 山形県東置賜郡高畠町時沢 字大師森1867‐1 |
必要な装備 | 運動靴・必要な方はステッキ、熊鈴かラジオ |
公式サイト | 高畠町公式HP |
火箱岩洞窟は、駐車場に車を停め、そこから徒歩二、三分の距離。